みなさんこんにちは!ポロンノゆるっとキャンプ略してポロキャンです!
今年は本当に異常な年になってしまいました。北海道ではヒグマ、本州ではツキノワグマやイノシシの出没が過去最多ペースで続いています。私自身、北海道でキャンプを楽しんできましたが、今年の秋以降はキャンプを自粛せざるを得ない状況です。
正直なところ、「いつになったら安心してキャンプができるのだろう」という不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。私もその一人です。
この記事のポイント
・2025年のクマ・イノシシ被害の実態が数字でわかる
・なぜここまで深刻化しているのか原因が理解できる
・キャンパーとして今後どう向き合うべきか判断材料が得られる
それでは早速いきましょう!
2025年12月時点の深刻な状況
今年の野生動物による被害は、これまでの常識を覆すレベルで深刻化しています。
クマの状況
2025年度上半期だけで全国のクマ捕獲数が6000頭を超え、人身被害は過去最多ペースで発生しています。特に衝撃的なのは、12月下旬になってもクマの出没が続いているという事実です。
宮城県では12月の目撃件数が過去20年で最多の105件を記録しました。通常なら冬眠に入っているはずの時期に、これだけの目撃があるのは異常事態と言わざるを得ません。
北海道のヒグマは2023年末時点で推定1万1600頭。前年の1万2200頭から若干減少したものの、依然として高い水準を維持しています。北海道だけで10月末時点の速報値が963頭の捕獲数となり、過去最多級です。
イノシシの状況
一方、イノシシも深刻な状況が続いています。全国の推定個体数は約78万頭(令和4年末時点)。
新潟県では2025年4月から10月までの捕獲数が1990頭と過去最多を更新しました。前年比で200頭も増加しています。宮崎県などでも前年比3割増の被害が報告されており、全国的に深刻化の傾向が見られます。
なぜここまで深刻化しているのか
この異常事態には、いくつかの要因が複雑に絡み合っています。
暖冬による冬眠の遅れ
2025年も暖冬傾向が続いており、クマの冬眠時期が例年より遅れています。12月下旬になっても活動を続けるクマが多く、これが出没継続の大きな要因となっています。
木の実の不作
山の餌となるドングリなどの木の実が不作だった影響で、クマが人里に下りてくるケースが増加しています。空腹のクマは攻撃性が高まるため、人身被害のリスクも上昇します。
山の管理不足
林業の衰退により、山の管理が行き届かなくなっています。人の気配が薄れた山では野生動物が人里近くまで進出しやすくなり、人との遭遇機会が増えています。
イノシシの高い繁殖力
イノシシは繁殖力が非常に強く、駆除を強化しても個体数のコントロールが難しい動物です。青森県などでは、この高い繁殖力が食害拡大の主要因となっています。
生態系への影響も深刻
・駆除増加がシカの過食を招き、森林劣化が進行
・森林劣化がクマの餌不足を加速させる悪循環
・生態系全体のバランス崩壊のリスク
ハンターの現状と課題
この深刻な状況に対応しているのが、全国のハンターの方々です。
駆除の最前線
2025年度はクマ、イノシシともに駆除数が激増しています。年間数万頭の捕獲を支えているのは、地域のハンターたちです。秋田県では自衛隊も支援に入り、延べ924人が出動しました。
深刻な高齢化問題
しかし、ハンターの60歳以上が6割から7割を占め、高齢化と担い手不足が深刻化しています。クマのハンターに限れば60歳以上が6割、イノシシを含む全体では7割超という状況です。
政府は「ガバメントハンター」の養成を強化し、警察官によるライフル駆除も秋田県や岩手県などで開始されました。しかし、後継者育成は急務となっています。
処理能力の限界
駆除数の激増により、捕獲したクマやイノシシの処理施設の焼却能力が追いつかないという問題も発生しています。ジビエ活用の推進も進められていますが、需要と供給のバランスが取れていないのが現状です。
ハンターの方々がいなければ、私たちの安全は守られません。
感謝の気持ちを持つとともに、後継者育成への支援が社会全体で必要です。
キャンパーとして今後どう向き合うべきか
では、私たちキャンパーは今後どのようにアウトドア活動と向き合うべきなのでしょうか。
情報収集の徹底
まず何より大切なのは、最新の出没情報を確認することです。各都道府県や市町村のウェブサイトでは、クマやイノシシの目撃情報がリアルタイムで更新されています。
キャンプ場を選ぶ際は、必ずその地域の出没状況を確認してください。「いつも行っているから大丈夫」という思い込みは危険です。
時期の見極め
2025年の状況を踏まえると、少なくとも真冬(1月~2月)までは慎重な判断が必要です。暖冬傾向が続けば、冬眠が遅れたクマの活動が長引く可能性があります。
春先の4月~5月も、冬眠明けのクマが活発に動く時期なので要注意です。
装備の見直し
クマ対策グッズは必須アイテムとなりました。クマ鈴、熊撃退スプレー、ホイッスルなどは、キャンプに行く際の基本装備として準備しましょう。
また、食料の管理も徹底が必要です。匂いの強い食材はクマを引き寄せる原因となるため、密閉容器での保管と、テントから離れた場所での管理を心がけてください。
代替案の検討
今年のような異常事態では、無理にキャンプに行かないという選択肢も重要です。私自身、秋からキャンプを自粛していますが、その代わりに以下のような過ごし方を楽しんでいます。
・自宅の庭やベランダでのデイキャンプ ・RVパークでの車中泊(より管理された環境) ・キャンプギアのメンテナンスと新規購入の検討 ・来シーズンに向けた情報収集と計画立案
無理をして危険な状況に身を置くより、安全を最優先に考えることが大切です。
今後の見通しと展望
正直なところ、短期的な解決は難しいというのが現実です。
個体数管理には時間がかかる
クマもイノシシも、個体数を適正レベルまで減少させるには数年単位の時間が必要です。特にイノシシは繁殖力が強いため、持続的な管理が求められます。
気候変動の影響
暖冬傾向は今後も続く可能性が高く、クマの冬眠パターンが変化していくことが予想されます。これまでの「冬は安全」という常識が通用しなくなるかもしれません。
ハンター不足の深刻化
高齢化が進む中、新たなハンターの育成が追いついていません。ガバメントハンターの養成や、警察・自衛隊の協力体制強化が進められていますが、根本的な解決には時間がかかります。
期待できる兆し
一方で、社会全体でこの問題への認識が高まっているのは前向きな兆しです。ジビエ活用の推進、若手ハンターの育成支援、山林管理の見直しなど、様々な取り組みが始まっています。
私たちキャンパーも、この問題を「自分ごと」として捉え、できることから始めていく必要があります。
私たちにできること
・最新情報を常にチェックする習慣をつける
・クマ対策グッズを確実に準備する
・危険な時期・場所を避ける判断力を持つ
・ハンター育成や野生動物管理への理解を深める
・SNSなどで正確な情報を共有し、注意喚起に協力する
まとめ:安全第一で次のシーズンを待とう
2025年のクマ・イノシシ被害は、過去に例を見ないレベルで深刻化しています。
北海道のヒグマ、本州のツキノワグマとイノシシ、いずれも人身被害や農作物被害が過去最多ペースで発生し、12月下旬になっても出没が続いている異常事態です。
暖冬、餌不足、山の管理不足、高い繁殖力など、複数の要因が重なったこの状況は、短期間での解決が難しいのが現実です。ハンターの方々が献身的に対応してくださっていますが、高齢化と担い手不足という構造的な問題を抱えています。
私たちキャンパーにできることは、まず「安全第一」の判断をすることです。無理にキャンプに行かない勇気も、時には必要です。
そして、最新情報の確認、適切な装備の準備、危険な時期・場所の回避という基本を徹底することが重要です。
今年は残念ながらキャンプを自粛せざるを得ない状況が続いていますが、だからこそできることもあります。来シーズンに向けた準備、ギアのメンテナンス、情報収集、そして野生動物との共生について考える時間を持つこと。
いつかまた、安心してアウトドアを楽しめる日が来ることを信じて、今は安全を最優先に行動していきましょう。
それでは皆さん、賢く『ゆるっと』豊かなアウトドアライフを!



