

みなさんこんにちは!ポロンノゆるっとキャンプ略してポロキャンです!
2025年8月14日、北海道知床半島の羅臼岳で起きた痛ましいクマ襲撃事故。東京都の26歳男性がヒグマに襲われ亡くなるという、私たちアウトドア愛好者にとって他人事ではない出来事でした。
実は私もクマよけスプレーを持っているんですが、恥ずかしながら使ったことがありません。今回の事故を機に、本気でクマ対策について調べてみました。そこで分かったのは、クマよけスプレーには「正しい知識」が絶対に必要だということです。
この記事では、私が今回学んだクマよけスプレーの正しい知識を、同じように不安を感じている仲間の皆さんと共有したいと思います。
この記事のポイント
・「ヒグマ対応」と「非対応」スプレーの決定的な違いが分かる
・正しい携帯方法と使用時の注意点が身につく
・万が一の遭遇時に適切な行動が取れるようになる
それでは早速いきましょう!
羅臼岳事故から学ぶクマよけスプレーの現実
今回の事故で特に注目すべき点があります。被害者の友人が「クマよけスプレー」を噴射しようとしたものの、うまく作動しなかったということです。
調査の結果、そのスプレーは使用歴があり、さらに「ヒグマ非対応」の製品だった可能性が高いとされています。私はこれを知って、正直ゾッとしました。


北海道のヒグマは体長140cm、体重100kg超の大型個体も珍しくありません。一般的な防犯スプレーや小動物用のスプレーでは、残念ながら効果は期待できません。
ヒグマ対応スプレーと非対応スプレーの決定的な違い
私が調べて驚いたのは、クマよけスプレーには明確な「基準」があるということです。
カプサイシン濃度とSHU値
ヒグマ対応の専用スプレーは、総カプサイシノイド濃度が1~2%、SHU値(辛味の強さ)が20万以上の超高濃度です。これはタバスコの約900倍の刺激成分に相当します。
一方、一般的な防犯用スプレーは水性で、SHU値が20万未満。ヒグマの強靭な体には効果が不十分なのです。
液体の性質
スプレーの種類と特徴
・ヒグマ用:油性タイプ(持続力が高く、嗅覚への刺激が強力)
・防犯用・小動物用:水性タイプ(効果時間が短い)
・容量:ヒグマ用は225g以上、一般用は小容量
噴射能力
ヒグマ用スプレーは射程距離8~10m、噴射持続時間7~8秒以上の能力を持ちます。これに対し、防犯用は射程2~3mと短く、大型のヒグマには物理的に届かない可能性があります。
EPA認証が信頼の証
日本には公式の認証制度がないため、米国環境保護庁(EPA)の認証を受けた製品が信頼の目安とされています。
人気の「カウンターアソールト CA290」や「UDAPベアスプレー」は、この基準をクリアした代表的な製品です。


確かにEPA認証のヒグマ用スプレーは1本8,000円~15,000円程度と高価です。でも、この価格差が生死を分ける可能性を考えると、私は迷わず適切な製品を選びます。
正しい携帯方法と使用時の注意点
スプレーを持っているだけでは意味がありません。正しい携帯と使用方法を身につけることが大切です。
携帯位置が生死を分ける
バックパックの奥に入れるのは絶対にNG。
緊急時にすぐ取り出せる胸ポケットやベルトホルスターに携帯してください。
私も今まで、何となくサイドポケットに入れていましたが、これでは緊急時に対応できません。専用ホルスターを使って、利き手ですぐ取れる位置に固定するのが基本です。
使用時の重要ポイント
- 安全装置の事前確認:セーフティクリップを外す練習をしておく
- 狙いは顔面:5メートル以内でクマの目や鼻を狙う
- 風向きの確認:できるだけ風上に移動して自分にかからないように
- 噴射後の行動:すぐに安全な場所へ避難
定期的なメンテナンス
スプレーの点検項目
・有効期限のチェック(通常3~4年)
・残量の確認(重量で判断)
・噴射口の詰まりがないか
・安全装置の動作確認
今回の事故でも、使用歴のあるスプレーが作動しませんでした。私も改めて自分のスプレーを点検してみたところ、購入から2年以上経過していることに気づきました。
複数本携帯という考え方
調べていて分かったのは、経験豊富な登山者の中には2本以上のスプレーを携帯する人がいることです。
1本目で効果がない場合や、誤作動・故障のリスクを考えると、これは理にかなった対策だと思います。特に単独行や長期山行では検討する価値があります。


遭遇を避けることが最優先
スプレーは最後の手段です。そもそも遭遇しないための対策が何より重要です。
基本的な予防策
- 音を出す:クマ鈴だけでなく、定期的な声出しも効果的
- 単独行動を避ける:可能な限り複数人での行動
- 時間帯に注意:早朝・夕方の活動を控える
- 事前の情報収集:登山道の状況や目撃情報をチェック
特に今回の羅臼岳では、事故の4日前にも親子グマの目撃情報がありました。こうした情報を軽視せず、引き返す勇気も必要です。
万が一遭遇した時の行動指針
クマ遭遇時の基本行動
・慌てて走らない(追いかけられる可能性が高い)
・目を合わせない(威嚇と受け取られる)
・ゆっくりと後退しながら距離を取る
・クマの行動をよく観察する(威嚇か本気の攻撃か)
スプレーを使うタイミングの判断も重要です。クマが明らかに攻撃的な行動を取った時、つまり耳を寝かせて突進してきた時が使用のタイミングです。
好奇心でクマに近づいてスプレーを噴射するのは絶対に危険。
必要以上の刺激は攻撃を誘発する可能性があります。
過去には観光客がクマに接近してスプレーを使う危険行為も撮影されています。こうした行為は自分だけでなく、他の登山者も危険にさらします。
投資する価値のある安全装備
正直に言うと、ヒグマ対応スプレーは安い買い物ではありません。でも今回改めて調べてみて、これは「投資」だと考えるようになりました。
私は200万円以上キャンプギアに投資してきましたが、命を守る装備への投資こそが最も価値のある支出だと実感しています。
高品質なスプレー1本の価格は、確かに1万円前後します。でも、これで家族との時間を守れるなら、私には安すぎる価格です。
まとめ:正しい知識で身を守る
クマよけスプレーの重要ポイント
・ヒグマ対応の高濃度EPA認証製品を選ぶ
・すぐ取り出せる位置に専用ホルスターで携帯
・定期的な点検とメンテナンスを怠らない
・遭遇回避が最優先、スプレーは最後の手段
今回の調査を通じて、私自身も多くのことを学びました。特に印象的だったのは、「持っているだけでは意味がない」ということです。
正しい製品選び、適切な携帯方法、そして使用時の冷静な判断。これらすべてが揃って初めて、スプレーは私たちの命を守る道具になります。
北海道でキャンプや登山を楽しむ私たちにとって、ヒグマとの共存は避けて通れない課題です。でも正しい知識と適切な装備があれば、安全にアウトドアを楽しむことができます。
皆さんも一度、ご自身のクマ対策を見直してみてください。そして何より、無理をせず安全第一で山を楽しみましょう。
今回の記事が、同じように不安を感じている仲間の役に立てば幸いです。実際に使わずに済むのが一番ですが、万が一の時に正しい知識があることで、私たちの大切な人を守ることができるはずです。
それでは皆さん、賢く『ゆるっと』豊かなアウトドアライフを!