みなさんこんにちは!ポロンノゆるっとキャンプ略してポロキャンです!
北海道でアウトドアを楽しむ私たちにとって、クマの問題は避けて通れない現実となっています。円山動物園でのヒグマ駆除、積丹町での猟友会と町議会との対立、そして警察官によるライフル駆除の開始...。連日ニュースで報じられる出来事に、不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
正直に言えば、私自身はクマの個体数調整は必要だと考えています。知床のように共生を目指す理想は素晴らしいですが、現状の環境では人の安全を守るための対策が急務です。一方で、積丹町の事件のように命がけで駆除に当たる猟友会の方々が適切に扱われない現実には、胸が痛みます。
今回は、北海道のクマ駆除の最新状況と現場が抱える深刻な課題、そして私たちアウトドア愛好家にできることについて、しっかりとお伝えしていきます。
この記事のポイント
・2025年11月時点の北海道クマ駆除の最新状況が分かる
・積丹町の事件から学ぶ猟友会が抱える課題と現実が理解できる
・駆除現場の給与問題や処理能力の限界など具体的な課題を知れる
・アウトドア愛好家として今後できることが明確になる
それでは早速いきましょう!
北海道クマ駆除の最新状況:都市部への出没と新たな対策
札幌・円山動物園でのヒグマ駆除
2025年11月12日、札幌市の円山動物園敷地内でヒグマ1頭が箱わなで捕獲され、駆除されました。このクマは9日から園内への侵入を繰り返していた個体とみられ、住宅地付近には約11センチの足跡も残されていました。
動物園という都市部の施設内での駆除は、クマの生息域拡大と人間の生活圏との距離がいかに近づいているかを物語っています。私たちが気軽に訪れる場所にまでクマが出没する...これは10年前には考えられなかった状況です。
警察官によるライフル駆除の開始
11月13日から、秋田県と岩手県で警察官によるライフル銃でのクマ駆除が可能になりました。これは猟友会の人員不足と高齢化が深刻化する中、新たな対応策として導入されたものです。
北海道でも同様の動きが検討される可能性がありますが、市街地での銃器使用には高度な技術と厳格な安全管理が必要で、一発で確実に止める射撃技術が求められます。クマは致命傷を負っても走行する例があり、現場の統制や射線確保など、安全面のハードルは非常に高いのが現実です。
駆除頭数の急増と処理能力の限界
2025年の駆除頭数は、本州で5,366頭、北海道で617頭に達しています。この急増により、焼却施設の処理能力を大幅に超過し、一部地域では埋立て対応を余儀なくされています。
ジビエとしての活用も検討されていますが、迅速な処理体制や衛生管理、受け入れ施設の不足など、多くの課題があり実現は容易ではありません。
積丹町の事件が示した深刻な問題
何が起きたのか:副議長の不適切発言
2025年9月27日、積丹町で駆除現場に立ち会った副議長が猟友会メンバーに対し「辞めさせてやる」「予算も減らす」などの発言をしたとされる事件が発生しました。
この発言を受け、地元猟友会は約1か月にわたり出動を拒否。その間、町民の不安は高まり続けました。11月7日の町議会で副議長が陳謝し、11月11日には猟友会へ直接謝罪文を手渡すことで、ようやく11月13日から出動が再開されました。
猟友会の立場を理解する
私が猟友会の立場であれば、その気持ちは痛いほど分かります。なんせ命に関わる仕事ですからね。クマ駆除は単なる「狩り」ではありません。人命を守るための、極めて危険な任務です。
出動の際には銃器を携帯し、いつ襲われるか分からない緊張の中で任務を遂行します。しかも、後述しますが報酬は地域によって大きな差があり、決して高額とは言えません。そんな中での心ない発言は、命を懸けて働く人々への冒涜に他なりません。
積丹町の事件から学ぶこと
・駆除現場は命がけの危険な作業であること
・猟友会への適切な敬意と理解が不可欠であること
・「駆除現場に第三者を入れない」などの明確なルール作りが必要
・現場の安全確保と統制が最優先されるべきこと
この事件を受け、積丹町では「駆除現場に第三者を入れない」という新ルールが導入されました。これは全国の自治体にとっても重要な教訓となるはずです。
駆除現場が抱える深刻な課題
給与面での大きな格差と課題(現状と異なっているかも)
猟友会の報酬は固定の月給制ではなく、自治体ごとの「日当」「出動謝礼」「発砲加算」「捕獲報奨金」などの組み合わせで支払われます。そして、その金額には驚くほどの地域差があるのです。
北海道内の報酬例:
- 札幌市:出動1回2万5,300円、捕獲・運搬で3万6,300円
- 奈井江町:日当8,500円、発砲時1万300円(低額との批判あり)
- 浦河町:ヒグマ駆除1頭1万円、出動1回5,000円
- 南富良野町:体重50kg未満8,000円、50kg以上2万円
同じ北海道内でも、これだけの差があります。最近は道の新交付金を活用して、ヒグマ1頭あたり3万〜8万円台に引き上げる自治体も出てきていますが、まだまだ十分とは言えません。
これらの報酬には、装備費、燃料費、訓練費用などは含まれていません。
実質的な負担を考えると、決して割に合う金額ではないのです。
人員不足と高齢化の深刻化
猟友会メンバーの高齢化と人員不足は、全国的な課題となっています。若い世代の参加が少なく、現場を支えるベテランハンターの負担は増す一方です。
これが警察官によるライフル駆除導入の背景にもなっていますが、専門的な訓練を受けた「ガバメントハンター」の育成には時間とコストがかかります。継続的な訓練と運用の費用負担も、自治体にとって大きな課題です。
焼却処理能力の限界とジビエ活用の壁
駆除頭数の急増により、焼却施設の処理能力は完全にパンク状態です。一部地域では埋立て対応や広域搬送を余儀なくされており、その手配にも多大な労力とコストがかかっています。
ジビエ活用は理想的な解決策に思えますが、現実には多くのハードルがあります:
- 迅速な処理体制の確保(鮮度管理)
- 厳格な衛生管理基準のクリア
- 受け入れ施設の不足
- 他自治体からの持ち込み困難
- 肉質のばらつき
コスト回収が難しく、多くの自治体では実現に至っていません。
私たちアウトドア愛好家にできること
駆除活動の邪魔にならないよう行動する
積丹町の事件から学んだ最も重要な教訓は、「駆除現場には絶対に近づかない」ということです。好奇心や撮影目的での接近は、作業の妨げになるだけでなく、二次被害のリスクも高めます。
我々ができることは、駆除の邪魔にならないようやっていく必要があるなと、強く感じました。
アウトドア愛好家として実践すべきこと
・キャンプ場では食べ物やゴミの管理を徹底する
・クマ出没情報を事前に確認し、危険地域を避ける
・クマ鈴やクマスプレーなど適切な装備を携行する
・目撃情報は速やかに自治体や警察に通報する
・駆除活動中のエリアには絶対に近づかない
クマとの共存を考えながら対策を支持する
私は個体数調整の必要性を支持していますが、それは無闇な駆除を望んでいるわけではありません。適切な個体数管理と、人の生活圏への侵入を防ぐための環境整備、この両輪が重要です。
知床のような共生の試みは理想的ですが、現状の環境面や人口密度を考えると、多くの地域では現実的ではありません。だからこそ、科学的根拠に基づいた個体数管理と、誘引物の除去、緩衝地帯の整備など、総合的な対策が必要なのです。
猟友会への理解と支援
命がけで私たちの安全を守ってくれている猟友会の方々への理解と感謝を忘れてはいけません。報酬の改善、装備の支援、訓練機会の提供など、自治体レベルでの支援拡充が急務です。
私たち住民も、クマ対策予算の必要性を理解し、適切な財政支出を支持する姿勢が求められます。
まとめ:今を知り、未来のアウトドアを守る
北海道のクマ駆除を巡る状況は、決して楽観できるものではありません。都市部への出没増加、駆除頭数の急増、処理能力の限界、人員不足、給与問題...多くの課題が山積しています。
しかし、だからこそ私たちは現状を正しく理解し、自分たちにできることを実践していく必要があります。駆除活動の邪魔をしない、適切な予防対策を取る、猟友会への理解を深める。一人ひとりの意識と行動が、北海道の豊かな自然とアウトドアの未来を守ることにつながります。
積丹町の事件は悲しい出来事でしたが、そこから得られる教訓は大きいものがあります。命がけで働く人々への敬意を忘れず、安全な駆除活動を支援する。それが、私たちが今後もこの美しい北の大地でアウトドアを楽しみ続けるために、必要なことなのだと思います。
それでは皆さん、賢く『ゆるっと』豊かなアウトドアライフを!

