

みなさんこんにちは!ポロンノゆるっとキャンプ略してポロキャンです!
今回は、とても重いテーマについてお話しします。北海道でキャンプを愛する一人として、そして実際にヒグマと遭遇した経験を持つ者として、この問題について率直に向き合ってみたいと思います。
2025年7月に福島町で起きた痛ましい事故。そしてその後の駆除に対する200件を超える抗議。「クマを殺すな」という声と「もっと徹底的に駆除を」という声。この両極端な意見の狭間で、私たちキャンパーはどう向き合うべきなのでしょうか。
この記事のポイント
・北海道の最新ヒグマ事情と駆除の現実を整理
・キャンパーとしてのリアルな体験と感情を共有
・様々な立場の意見を尊重した多角的な視点を提示
・実践的なヒグマ対策とキャンプ時の心構えを解説
それでは早速いきましょう!
知床でのヒグマ遭遇体験|私が感じた"圧倒的な恐怖"
実は私、数年前に知床でヒグマと遭遇したことがあります。その時の恐怖は、今でも鮮明に覚えています。
釣りをしていた時でした。ふと振り返ると、数十メートルほど先に巨大な影。最初は「まさか...」と思いましたが、間違いなくヒグマでした。体長は2メートルを優に超える、まさに"巨獣"という表現がぴったりの個体。
幸い、向こうも私に気づいていたようで、しばらくお互いを見つめ合った後、ヒグマの方からゆっくりと森の奥へ消えていきました。しかし、その威圧感と圧倒的な存在感は、今でも忘れることができません。
「あれに襲われたら、人間なんてひとたまりもない」
これが、その時の正直な感想でした。そして、それ以来山菜取りや熊が出そうな釣り場には行っていません。だって正直、怖いんです。
2025年夏の現実|相次ぐ出没と社会の分断
最新の状況を整理してみましょう。2025年8月現在、北海道のヒグマ問題は深刻さを増しています。
福島町での事故を受けて駆除された個体は、体重218kg、体長2.08mの成獣。DNA鑑定で過去の人身事故にも関与していたことが確認されています。しかし、この駆除に対して「クマを殺すな」「山に返すべきだ」といった抗議が殺到。一方で「駆除をしないから事故が起きた」という声も。


札幌市、千歳市、石狩市、苫小牧市など、広範囲での出没情報。市街地での目撃も相次いでいます。これは、もはやキャンパーだけの問題ではなく、道民全体の安全に関わる問題となっています。
キャンパーとして感じること|理想と現実のギャップ
正直に言います。私も「できることなら共存したい」と思っています。自然の中でキャンプを楽しませてもらっている身として、野生動物を駆除することに複雑な気持ちを抱くのは自然なことです。
しかし、現実は甘くありません。
キャンパーが直面する現実
・ヒグマの生息数は推定11,700頭(2020年調査)
・年間捕獲数は800頭前後で推移
・市街地への出没件数は年々増加傾向
・キャンプ場での目撃情報も散発的に発生
私がキャンプ場を選ぶ際、今では「熊が出なさそうなところ」を基準の一つにしています。怪しそうな場所では熊よけスプレーも念のため持参します。これが、北海道でキャンプを楽しむ現実なのです。
様々な立場を理解する|正解のない問題への向き合い方
この問題に明確な正解はありません。だからこそ、様々な立場の人々の気持ちを理解することが大切だと思います。
動物愛護の立場の方々
「動物にも命がある」「殺さずに山に返せないのか」という声。これは人間としての自然な感情です。命を軽んじているわけではなく、むしろ命を大切に思うからこその発言だと理解できます。
地元住民や現場の方々
毎日ヒグマの脅威と隣り合わせで生活している現実。農作物被害、人身事故への不安。「安全確保が最優先」という考えも、当然の心情です。
私はこっちよりです。
行政担当者
両方の声に板挟みになりながら、冷静な判断を求められる立場。科学的根拠に基づいた管理の必要性と、感情的な反発への対応。非常に困難な状況です。
重要なのは、それぞれの立場の人が「命を大切に思っている」という共通点があることです。
対立するのではなく、建設的な議論ができる環境作りが必要だと感じます。
実践的なヒグマ対策|キャンパーができること
議論と並行して、私たちキャンパーができる具体的な対策も考えましょう。
効果的なヒグマ対策グッズ
・熊よけスプレー(7~10メートルの射程距離)
・熊鈴(音による警戒)
・高輝度LEDライト(夜間の視認性向上)
・ラジオ(人の存在をアピール)
・密閉容器(食べ物の匂い対策)
私が実際に愛用しているのは、熊よけスプレーです。軽量で携帯しやすく、万が一の時の安心感があります。ただし、使用期限があるので定期的な交換が必要です。


キャンプ場選びの新基準|安全性を重視した判断
最近の私のキャンプ場選びには、新たな基準が加わりました。
優先的に選ぶキャンプ場の特徴
- 管理人が常駐している
- 電気柵などの物理的防護設備がある
- 過去数年のヒグマ出没情報が少ない
- 市街地からのアクセスが良い
- 他のキャンパーがある程度いる
一方で、避けるようになったのは人里離れた山奥のソロキャンプです。以前は「静寂を楽しめる」として好んでいましたが、今は安全性を優先しています。
国の新方針と今後の展望|管理の強化
2024年4月、国はヒグマを「指定管理鳥獣」に追加しました。これにより、都道府県の捕獲や生息域管理に国の交付金が活用できるようになり、より積極的な対策が進められることになります。
また、北海道では2024年12月から3カ年の新管理計画が施行されています。「あつれき低減措置」と呼ばれる人・ヒグマの衝突を減らす手段が強化され、緩衝帯の設置、電気柵の整備、ゴミ管理の徹底などが進められています。
今後期待される対策
・赤外線カメラ搭載ドローンによる個体位置把握
・AI技術を活用した早期発見システム
・市街地近くの果樹伐採による誘引要因除去
・地域一体となった防除策の推進[/st-myfrom:box]
技術の進歩により、より効果的で人道的な管理方法が確立されることを期待しています。
私たちに必要な"覚悟"とは|共存への道筋
この問題について考え続けて、私なりに一つの結論に達しました。
それは「完璧な解決策はない」ということです。だからこそ、私たちには覚悟が必要なのです。
キャンパーとしての覚悟
- 自然の中には人間以外の生き物も生活している現実を受け入れる
- 100%の安全はないことを理解して、適切な対策を怠らない
- 感情論ではなく、科学的根拠に基づいた判断を支持する
- 様々な立場の意見を尊重し、建設的な議論に参加する
社会としての覚悟
- 人命の安全確保を最優先とする明確な方針
- 動物愛護と現実的な管理のバランスを取る知恵
- 地域住民の声を最も重視した政策決定
- 長期的な視点での持続可能な共存方法の模索
「クマを駆除するな」と簡単に言えるのは、日常的にその脅威と向き合っていない人だけかもしれません。
しかし「徹底的に駆除を」と言うのも、同様に短絡的な解決策です。
大切なのは、現場の現実を理解し、様々な立場の人々の声に耳を傾け、科学的根拠に基づいた冷静な判断を支持することだと思います。
まとめ|それぞれができることから始めよう
ヒグマ問題に完璧な答えはありません。しかし、だからこそ私たち一人一人ができることから始めることが大切です。
今日からできること
・キャンプ時の適切なヒグマ対策の実践
・感情的な批判ではなく建設的な議論への参加
・現場の声と科学的根拠を重視した判断
・様々な立場の意見を尊重する姿勢の維持
私自身、知床での遭遇体験以来、ヒグマに対する恐怖は完全には消えません。しかし同時に、北海道の豊かな自然を愛する気持ちも変わりません。この複雑な感情を抱えながら、より良い共存の道を模索していくしかないのだと思います。
「クマを駆除するな」とも「徹底的に駆除を」とも、私には簡単に言えません。ただ一つ言えるのは、この問題に向き合い続ける覚悟を持ち続けることの大切さです。
皆さんも、ぜひ一度この問題について考えてみてください。そして、コメント欄で皆さんの思いや体験を共有してもらえたら嬉しいです。
それでは皆さん、賢く『ゆるっと』豊かなアウトドアライフを!