

みなさんこんにちは!ポロンノゆるっとキャンプ略してポロキャンです!
2025年、クマによる人身被害が過去最悪のペースで増加しています。羅臼岳での死亡事故、福島町での新聞配達員の方の事故、そして札幌市内の住宅街にまでクマが出没するという事態。ニュースを見るたびに胸が痛みます。
SNSやニュースのコメント欄では「保護しすぎたから増えた」「いや駆除では解決しない」と意見が真っ二つに割れています。でも正直、私たち一般のキャンパーにとっては、どちらの意見も一理あるように感じてしまうんです。
私自身、北海道胆振東部地震を経験してからキャンプを本格的に始めました。防災の観点からも、自然との向き合い方を真剣に考えてきました。だからこそ、この問題を「専門家ではない、でも山に入る一人の実践者」として、等身大で考えてみたいと思います。
この記事のポイント
・2025年のクマ被害の実態と現場で起きている変化がわかる
・キャンパーが今すぐ実践すべき具体的な対策を理解できる
・保護と駆除の議論を、感情論ではなくデータで整理できる
・自然と人間の関係を、自分なりに考えるきっかけが得られる
それでは早速いきましょう!
2025年、クマ問題の"現場"で何が起きているのか
正直に言います。私がキャンプを始めた2018年頃と比べて、明らかに状況は変わりました。
環境省や農林水産省の統計によれば、令和5年度のクマ類による人身被害は198件・219人で、これは過去最多水準です。特に秋田県と岩手県で被害が集中しており、山菜採りやキャンプ中の事故が相次いでいます。
忘れられない、羅臼岳の事故
2025年8月14日、北海道知床半島の羅臼岳で20代の登山者がヒグマに襲われて亡くなりました。加害個体は親子グマ3頭。この事故で私が最も衝撃を受けたのは、「約2週間前に観光客が車の窓からヒグマにスナック菓子を与えている現場が目撃されていた」という事実です。
人間が意図的に餌付けをしたことで、ヒグマが人間を「エサをくれる存在」として学習してしまった可能性。これは保護とか駆除とか以前の、もっと根本的な問題だと感じました。
都市部にも迫るクマ
もう一つ衝撃的だったのは、札幌市西区や南区で住宅街にクマが1時間以上居座った事例です。2025年10月現在、札幌市では"ヒグマ警報"が継続発令中。公園が閉鎖され、子どもたちの登下校には見守り活動が必要になっています。
「クマは山の奥にいる」という常識が、もう通用しない時代になってしまったんです。
2025年10月~12月は、クマが冬眠前の食糧確保のため最も活発になる時期です。
この時期のキャンプは特に注意が必要で、事前の出没情報確認が命を守ります。
キャンパーとして、今すぐできる3つの対策
では、私たちキャンパーは何をすればいいのか。専門家ではない私が、実践している対策を正直にお伝えします。
対策1:情報収集を徹底する
出発前に必ず確認しているのは、北海道庁やキャンプ場の公式サイトでの最新出没情報です。「たぶん大丈夫だろう」という楽観は、もう許されません。
札幌市では「TOKYOくまっぷ」のような目撃マップも運用されています。スマホで簡単にチェックできるので、キャンプ当日の朝にも再確認しています。
対策2:熊鈴だけでは不十分だった
以前は熊鈴をつけていれば安心だと思っていました。でも、羅臼岳の事故を知ってから考えが変わりました。人慣れしたクマには、熊鈴の音は「エサが来た合図」になってしまう可能性があるんです。
今は熊鈴に加えて、見通しの悪い場所では大声で会話したり、手拍子をしたりしています。複数の音を組み合わせることで、「人間がいる」という情報をより明確に伝える工夫をしています。
対策3:熊撃退スプレーは"お守り"ではない
私が一番失敗したのは、熊撃退スプレーを買って安心してしまったことです。実際には、カバンの奥にしまい込んでいて、緊急時に取り出せないという状態を作っていました。
今は必ずベルトのホルスターに装着しています。3~5メートルまでクマが近づいてきたときに、すぐに噴射できる態勢が重要です。
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熊撃退スプレー選びの3つのポイント
・ヒグマ対応の専用製品を選ぶ(一般的な護身用では効果なし)
・射程8~10m以上のものを選ぶ(至近距離では手遅れ)
・EPA認証など、信頼できる認証マークがあるものを選ぶ
👉 フロンティアーズマン ベアアタック(EPA認証・230g大容量タイプ)をチェックする


対策の補足:食料管理の徹底
ヒグマの嗅覚は人間の数百万倍から一億倍と言われています。
今は生ゴミを密閉袋に入れて、必ず車内に保管しています。また、テント(就寝場所)、調理場所、食料保管場所を離して配置する「ベア・トライアングル」も実践するようになりました。
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保護か駆除か|データで見る、感情論を超えた議論
ここからが、この記事で最も書くのが難しい部分です。私は専門家ではありません。でも、山に入る一人の人間として、この問題から目を背けたくないんです。
「保護しすぎた」は本当か?
SNSでよく見る「保護活動が獰猛な個体を増やした」という主張。正直、私も一時期そう思っていました。でも、調べてみると、科学的な証拠はほとんどありませんでした。
農林水産省の資料によれば、ツキノワグマの分布域は平成15年度から平成30年度で約1.4倍に拡大しています。これは事実です。でも、「分布拡大=保護のせい」と単純化するのは危険だと思います。
被害増加の主な要因として、複数の研究機関が指摘しているのは以下の点です。
被害増加の科学的に指摘されている要因
・ドングリなど木の実の不作(2025年は記録的な不作地域あり)
・里山管理の後退による緩衝地帯の消失
・気候変動による生息環境の変化
・観光客や住民による意図的・無意識の餌付け
・報道やSNSの発達による「目撃情報の可視化」
つまり、「保護か駆除か」という二択ではなく、もっと複雑な要因が絡み合っているんです。
駆除すれば解決するのか?
では、駆除を増やせば被害は減るのか。これも単純ではありません。
実際、被害が出ている個体に対しては、各自治体で駆除が実施されています。でも、駆除だけで被害が根本的に減るという証拠は少ないようです。
なぜなら、駆除しても、餌不足や里山荒廃という根本原因が解決されなければ、また別の個体が人里に降りてくるからです。
私が考える「現実的な答え」
専門家ではない私が言うのもおこがましいのですが、今の私は「管理型保護」というアプローチが現実的だと考えています。
これは、保護一辺倒でも全面駆除でもなく、以下のような複合的な対策を組み合わせる方法です。
管理型保護の具体的な取り組み例
・被害発生地域での限定的な駆除(科学的根拠に基づいて)
・電気柵やフェンスなどの物理的な出没防止策
・住民や観光客への餌付け防止の徹底的な啓発
・里山の再生・整備による緩衝地帯の回復
・個体数のモニタリングとデータに基づいた管理
正直、これが正解かどうかは私にはわかりません。でも、感情論や極端な意見に流されるのではなく、データと現場の声の両方を聞きながら、一人ひとりが考え続けることが大切だと思うんです。
私たち一人ひとりにできること
最後に、キャンパーとして、私たちが今日から実践できることをまとめます。
まず、絶対にしてはいけないのは「餌付け」です。羅臼岳の事故が教えてくれたように、善意や好奇心から与えた一つのお菓子が、後に誰かの命を奪う事故につながる可能性があります。
そして、キャンプ場では生ゴミの管理を徹底すること。これは意図しない餌付けを防ぐ、最も基本的な対策です。
もう一つ大切なのは、「情報を共有する」こと。クマの目撃情報や対策を、SNSやコミュニティで共有することで、より多くの人が適切な備えをできるようになります。


まとめ:完璧な答えはないけれど、考え続けることが大切
クマ問題に「これが正解」という簡単な答えはありません。保護派にも駆除派にも、それぞれの立場と理由があります。
でも、私たちキャンパーにできることは確実にあります。それは、最新情報を確認すること、適切な装備を準備すること、そして餌付けや生ゴミ放置という「人間側の問題」を改善することです。
私も完璧ではありません。失敗もたくさんしてきました。でも、その失敗から学んで、少しずつ対策を改善してきました。
この記事が、あなたが自然と向き合うための一つのヒントになれば嬉しいです。
この記事のまとめ
・2025年はクマ被害が過去最悪のペースで、都市部にも出没している
・キャンパーは情報収集・音による存在アピール・熊撃退スプレーの携帯が必須
・保護vs駆除の二択ではなく、複合的な要因と対策が必要
・私たち一人ひとりができるのは、餌付け防止と生ゴミ管理の徹底
それでは皆さん、賢く『ゆるっと』豊かなアウトドアライフを!